日本歯科大学 新潟病院 歯科部門医科部門在宅ケア新潟クリニック

新潟病院臨床研修の1年

長期複合型研修を振り返って

H24年度 長期複合型臨床研修医 渡邉 紘士

私は平成24年4月より日本歯科大学新潟病院にてより歯科医師臨床研修を行いました。臨床研修の内容等について、私の体験談を交えてお話させていただきます。

はじめに、臨床研修を行う施設の決定(マッチング)についてですが、他大学病院にも見学や面接に行きましたが、住み慣れた環境のもと登院実習の頃よりお世話になっている先生方のご指導を仰ぎ、友人と一緒に研修を受けたいと思い母校である新潟病院を選びました。

ご存知だと思いますが、大学によって研修プログラム内容が異なり、新潟病院には単独型・複合型の二つがあります。

単独型プログラムとは一年間大学病院で研修を行うものです。複合型プログラムには短期、長期の2種類があります。短期では4ヶ月間、長期では8か月間の協力型施設研修を行い、残りの期間を大学病院で研修するものです。私は他施設での研修にも興味があったので複合型長期プログラムを選びました。複合型の研修先は病院での研修が始まってすぐにマッチングにより決められます。

私は5月から12月までの8ヶ月間、協力型施設で研修を受けました。複合型長期プログラムの特徴としては大学とは違った診療を学べることです。大学とは雰囲気が異なり、一日に診療する患者数や診療時間の違いにはじめは戸惑いました。毎日慌しく時間が過ぎ、協力型研修施設の診療にも徐々に慣れていきました。何も出来なかった私を熱心に指導してくださった先生と、あたたかく見守ってくださったスタッフの皆様のおかげでスキルアップすることができました。私にとって協力型施設での研修はとても内容のある大変貴重な経験となり、複合型長期プログラムを選んでよかったと思います。

大学病院での研修内容は、総合診療科で初診患者さんを担当し、指導医のご指導の下で治療計画を立てて診療を行い、フィードバックを受けます。はじめは何もできなくてどうしていいのか分からなかったことも研修医の控え室に戻ると仲間の励ましやアドバイスで何度か救われました。不謹慎かもしれませんが失敗談を話したり、聞いたりすることで同じ失敗を起こさないように注意することができたと思います。広い研修医控え室にはいつも多くの研修医が集まり、毎日楽しく賑やかに研修を行うことができ良い思い出となりました。

また、必修として口腔外科での一ヶ月間の病棟研修と在宅歯科訪問があります。病棟研修では、入院患者さんの治療・管理に担当医チームの一員として参加し、研修協力施設へ指導医の先生と赴き、一般診療とはまた違った病院診療を体験する事が出来ました。在宅訪問歯科では介護施設や直接病院に来ることが困難な患者さんに対し必要な治療を行います。今後、高齢者が増加し、さらに必要になると考えられる分野での貴重な経験をすることができたと思います。

一年間という短い期間ではありましたが、臨床研修の経験は今後歯科医師として成長するための大きな一歩になったと思います。たくさんの仲間と良い環境の中で研修を受けることができ本当に良かったです。