新潟病院臨床研修の1年
新潟病院臨床研修の1年
新潟病院では単独型、複合型短期、複合型長期の3つのプログラムを設定しています。単独型は管理型施設である新潟病院で1年、複合型短期は新潟病院で8か月、開業医を中心とした協力型研修施設で4か月、複合型長期は新潟病院で4か月、協力型研修施設で8か月、研修を行うこととなっています。
研修歯科医は桜前線北上中の4月初旬に臨床研修開始式を行い、最初の約1か月間は基礎実習、保険講習、診療見学などを行います。
基礎実習では、学生の実習室を中心に実習を行いますが、診療室内に設けられたスキルラボコーナーを使用し、自己のスキルアップのためにシミュレーション実習も行っています。その後、4月下旬より、指導歯科医の指導下で患者さんの診療を開始します。
診療は主として保存、歯周、補綴治療を中心に総合診療科で行います。総合診療科はいろいろな専門に分かれておらず、専門の垣根を越え、総合診療という名のもとで様々な視点から診療が行えるという利点があります。一方で総合診療科には各分野の専門医、認定医が多数在籍しており、難症例の場合はこれらの専門分野に長けた指導歯科医とともに診療に当たることも可能です。このような環境のもと、研修歯科医は一口腔単位の治療計画立案を行い、多岐にわたる治療を指導歯科医とディスカッションしながら進めていきます。
また新潟病院の研修の特徴のひとつとして、訪問歯科、睡眠歯科、障害児・者歯科の必修化があげられます。これらの研修は1年という短い研修期間で経験しにくい分野についても研鑽を積み、研修修了後につなげる意味でも有効な研修となっています。
それぞれのプログラムをもう少し詳しく紹介します。単独型では1年間新潟病院において研修するため、一口腔単位での治療計画を立てて、じっくりと診療に取り組むことができます。また地域保健研修の一環として保健所研修も行われ、保健所業務・役割、地域医療の現状などを歯科以外の観点からみることが出来ると思います。
複合型では、協力型研修施設の選定を行うため、2月と4月に協力型研修施設の指導歯科医による、施設紹介のプレゼンテーションと面談を行い、各自が施設見学を行った後、研修先の協力型研修施設を決定します。その後、短期型は7月より前後期4か月ずつ(前期グループ:7~10月、後期グループ:11~2月)2班に分かれて、長期型は5~12月の8か月協力型研修施設で研修を行い、これ以外の期間は新潟病院で研修を行うこととなります。
複合型プログラムの良さは管理型+協力型施設という、異なった環境で研修を行うことができ、それぞれの良さを体験できることにあります。その協力型研修施設ですが、新潟病院として現在、北海道から九州まで94施設が登録されています。
このように研修歯科医は1年のスケジュールに沿って研修を行いますが、その間、研修歯科医同士や指導歯科医との交流、夏の新潟祭りにおける大民謡流しへの参加、花火鑑賞、スキーをはじめとした小旅行など大いにリフレッシュもしているようです。
そして春の光を感じる3月下旬、研修修了プレゼンテーション、臨床研修修了式、修了記念パーティーとともに1年の研修を修了することとなります。