歯科医師臨床研修
歯科医師臨床研修を希望する皆さんへ
近年の日本の歯科医療は、高齢化に伴う疾病構造の変化や国民のニーズの多様化、患者の権利をより尊重するための患者と歯科医師とのコミュニケーションの在り方の変化等によって大きく変化してきています。
このようなバックグランドから、平成8年6月から実施されてきた歯科医師免許取得後に1年以上の臨床研修を行うことを努力義務とする臨床研修制度をさらに確固たるものとするために、平成18年4月より歯科医師臨床研修が必修化されました。すなわち、将来歯科診療に従事しょうとする歯科医師、診療所を開設しようとする歯科医師、および病院あるいは診療所の管理者となろうとする歯科医師は1年以上の歯科医師臨床研修を受けなければなりません。
皆さんがこれから受ける歯科医師臨床研修は、歯科医師としての基盤形成の時期に、研修歯科医が歯科医師として患者中心の全人的医療を理解した上で、歯科医師としての人格を涵養し、総合的な歯科診療能力を身に付け、臨床研修を生涯研修の第一歩とすることを目的としています。したがって、臨床研修は学生時代の臨床実習をそのまま継続したものではありません。
この1年は7年目の学生ではなく、1年目の歯科医師なのです。今までも1年目の歯科医師は毎年誕生していました。しかし新人教育のためのプログラムは病院あるいは診療所によりことなり、カリキュラムも指導者(院長)まかせでした。
この臨床研修制度においては、カリキュラムプランニングが絶対条件となり、新潟病院のガイドラインでは目標から方略、評価にいたるまで、1年目の歯科医師が修得すべき事項が詳細にあげられています。
皆さんは診療室で、医局で、あるいは自宅で毎日のようにこのガイドラインに目を通すことで、目標はどこまで到達しているのか、到達していない目標についてはどのようにすれば良いのかを確認できます。
1年は非常に短い期間ですが、この1年の間に何をするかで将来の皆さんの方向性は大きく変わります。
そのために日本歯科大学新潟病院のスタッフはできるだけの支援をいたします。また1年後には、基本的な歯科診療はすべて自分ひとりで行えるようになっていることを願っています。
日本歯科大学新潟病院は皆さんと共に研鑽し、働く仲間として大いなる期待をもって迎えます。
日本歯科大学新潟病院
病院長 戸谷 収二