日本歯科大学 新潟病院 歯科部門医科部門在宅ケア新潟クリニック

矯正歯科

矯正歯科とは

悪い歯ならびや噛み合わせを改善し、きれいな歯ならびと良好な噛みあわせを獲得する歯科治療です。きれいな歯ならびにするために、歯を削って「差し歯」にすることは、基本的にありません。矯正装置を用いて、歯や顎の骨に力を加えて、歯ならびと噛み合わせを治します。

歯がふぞろいだったり、良好に噛み合わなかったりする状態を、専門的には「不正咬合」といいます。不正咬合を治すことで、自分の容姿に自信が持て、コンプレックスを解消できることも、矯正治療の重要な目的のひとつです。

治療内容

治療内容は、患者さんの年齢、悪い歯ならびの種類と程度、その原因などによって異なります。同じ種類の歯ならびでも、ひとり一人の治療内容は異なります。小児の反対咬合(受け口)と成人の叢生(乱杭歯)の原則的な治療について説明します。

反対咬合(受け口)の治療は、6歳前後から開始し、上顎(うわあご)の成長を促進したり、下顎(したあご)の成長を抑制したりします。永久歯がすべて萌出した12、13歳の頃から、口腔内にワイヤーを装着し、概ね2年間歯の移動を行います。噛み合わせが安定するのを、17、18歳まで観察し、矯正治療が終了になります。

成人の叢生(乱杭歯)の治療は、概ね2年間、口腔内にワイヤーを装着して行います。その後、さらに概ね2年間、噛み合わせが安定するのを観察し、矯正治療を終了します。

対象疾患

  • 悪い歯ならび(審美的障害)
  • 悪い歯ならびが原因の咀嚼障害など(機能的障害)
  • 顎関節症の治療のために必要な歯ならびの改善
  • 変形した顎(顎変形症)
  • 唇顎口蓋裂などの先天異常に伴う歯ならび
  • その他

治療費

料金は改訂されていることがあります。詳しくは初診時、相談時にご確認ください。

保険診療費
  • 顎変形症と診断され、顎の離断手術を前提とする矯正治療は、健康保険の適応です。
  • 先天異常(唇顎口蓋裂、Down症候群等)による咬合異常の矯正治療は、健康保険の適応です。
自費診療費
  • 初診料(3,130円(税込3,443円))と相談料(3,000円(税込3,300円))
  • 形態的検査診断料(37,000円(税込40,700円))
  • 矯正装置の料金は、その種類によって異なり150,000円(税込165,000円)から650,000円(税込715,000円)程度です。
  • 最も一般的な口腔内全体にワイヤーが装着されるマルチブラケット装置は上下で450,000円(税込495,000円)です。
  • 矯正治療中には1か月に1度来院します。このときの治療費が5,000円(税込5,500円)から7,000円(税込7,700円)程度です。また、エックス線写真の料金は別途請求します。

口腔内全体の矯正治療では総額が800,000円程度です。部分的な矯正治療では総額が350,000円程度です。

リスク・副作用

  • 成長発育によって,外科矯正や再治療が必要になる場合があります。
  • 歯の重なりが大きいときや,舌の癖が治らないときに後戻りする場合があります。
  • 歯の移動により,歯の痛み,歯根の吸収および歯肉の退縮が起こることがあります。
  • 矯正治療中や治療後,顎が鳴る,顎が痛い,口が開けにくいなどの症状がでる場合があります。
  • 再三治療を休む,担当医の指示を守れない,歯磨きが悪い場合,ご相談の上で装置を撤去することがあります。