日本歯科大学 新潟生命歯学部

大学紹介

建学の精神

日本歯科大学新潟生命歯学部は今

創立100周年を迎えた
建学の精神イメージ

私ども日本歯科大学は、中原市五郎によって、明治40年(1907)6月、公立私立歯科医学校指定規則に基づくわが国最初の歯科医学校として創立されました。当時、歯科医療は黎明期にあり、「学・技両全にして人格高尚なる歯科医師の養成」を建学の目的としました。そして歯・顎・口腔の医学を教導し、学・術・道を兼ねそなえた歯科医師を輩出し、歯科医学の進展、歯科医療の向上、患者国民の福祉に邁進しました。

そしてこの伝統を基盤として、昭和47年(1972)4月、日本海側最大の都市である新潟市に、本学第2番目の歯学部として日本歯科大学新潟歯学部が誕生しました。

私どもは、私学として創立者の「自主独立」という建学の精神を継承し、平成18年(2006)に創立100周年を迎えました。この100年におよぶ歴史と伝統は、本学がわが国の"歯科界の源流"といわれる由縁であります。

世界最大の歯科大学である

私ども日本歯科大学は、現在、歯科医学の総合的大学として、2つの歯学部を有する唯一の歯科大学です。新潟と東京の両キャンパスを合わせて、2つの大学院(新潟生命歯学研究科・生命歯学研究科)、2つの歯学部(新潟生命歯学部・生命歯学部)、3つの附属病院(新潟キャンパスの新潟病院と医科病院・東京キャンパスの附属病院)、2つの短期大学(新潟短期大学・東京短期大学)、および博物館(新潟キャンパスの「医の博物館」)を擁し、学生総数約2,000名、専任教職員数約1,000名、および卒業生総数約19,600名を数えます。本学は、紛れもなく世界最大の歯科大学であります。

「生命歯学部」のフロントランナーとなった

私ども日本歯科大学は、平成18年(2006)4月、学部等の名称を『生命歯学部』(新潟キャンパスは『新潟生命歯学部』)に変更しました。これは、歯科医学は生命体を学ぶ学問であり、歯科医療は生命体への医行為であることから、生命科学のレベルに相応しいネーミングとして、生命という2字を冠したのです。これによって、歯科学生と歯科医師の意識を改革し、患者国民の歯科に対するイメージを一新することを期しています。

私どもは、フロントランナーとして投じたこの一石が、歯科界はじめ患者国民の意識革命を促すものと信じています。

建学の精神

近年、大学は7年毎に認証評価をうけて、その結果を公表することを義務づけられた。その評価の核となるのが、建学の精神である。そのため、それまで影の薄かった建学の精神が、にわかに脚光を浴びることとなった。

明治39年(1906)に歯科医師法(旧法)が制定され、あわせて公立私立歯科医学校指定規則が出された。その年、東京市には、検定試験をうけて正規の資格を得た歯科医師は、僅か187名しかいなかった。開業医として盛名を馳せていた中原市五郎先生は、官立(国立)の歯科医学校を設置するよう再三、国に働きかけた。しかし、歯科は富国強兵に関わりなしと、一顧だにされなかった。国は、歯科医療を軽視したのである。折角、指定規則ができても、それに基づく歯科医学校は1校も生まれない。歯科志望者は従前と変わらず、開業医の徒弟としてまた私塾において、細々と勉学をする他なかった。この状況を憂い憤った中原先生は、私財を投じて、翌40年6月、東京市麹町区大手町1丁目1番地に私立共立歯科医学校を開校した。

同校の設立趣意書には、「我等同志の者相図り、昼間開業医の助手をして余暇なき者を集め、これに歯科医学を授け、一には教育機関の不備を補い、一には師たる開業医の責任を軽減せしめんと欲す。是今回歯科医学校の設立を企図したる所以なり。...一は学技両全の歯科医を社会に紹介し、一は以て歯科医の人格を高尚ならしめんことを」と説いた。ここに謳った「学・技両全にして人格高尚なる歯科医師の養成」が、学校の目的であった。

当時、私立歯科医学校の経営は困難を窮めた。開校から4ヵ月後の10月には、校舎を神田区雉子町34番地に移転した。さらに中原先生は、麹町区富士見町6丁目2番地(現在地)の旧法政大学分校を個人で買収し、42年6月に同地に移転させ、校名を日本歯科医学校に改称した。当初は2年制であったので、同年7月に昼間部36名、夜間部27名、特別卒業5名の計68名の卒業生を社会に送りだした。まさに、当時の歯科界にとって干天の慈雨であった。

その後、大正8年(1919)財団法人日本歯科医学専門学校に組織変更するに際し、中原先生は学校に貸与していた私有地と、新たに買収した隣地の計1,030坪を財団に寄付した。さらに、昭和7年(1932)附属医院の新築に際し、中原先生は、将来を見越して買収してきた隣接地370坪を財団に寄付した。現在の生命歯学部本館キャンパスは1,963坪あるが、その約4分の3(1,400坪)は創立者の無私の寄付によるものである。

このように創立者は、独力で学校を興し、誰の力も借りず他を頼らず、私学としての自主独立を堅守した。ことさら自賛することはなかったが、彼は生涯、筋金入りの私学人の姿勢を貫いた。
その精神は脈々と受け継がれ、自助努力という信念と勇気により、本学は、自らの判断と責任において大学運営の舵取りを続けてきた。この100年間、一貫して継承された自主独立こそ、日本歯科大学の建学の精神なのである。

平成18年(2006)6月 創立100周年を記念して

学校法人日本歯科大学理事長
日本歯科大学学長
中原 泉

基本理念

本学は、高等の教育機関として、広く知識を授けると共に、深く歯・顎・口腔の医学を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とし、もって人類の文化の発展と福祉に寄与し、国民の健康な生活に貢献することを使命とする(学則第1条)。

教育の目標

  1. 幅広い教養と倫理観を持った医療人を育成する。
  2. 問題を発見し解決する能力を持った医療人を育成する。
  3. コミュニケーション能力のすぐれた医療人を育成する。
  4. 歯科医学の最新の知識を生涯学び続ける能力を持った医療人を育成する。
  5. 科学的根拠に立脚した医療を実践できる医療人を育成する。
  6. 専門に偏らない幅広い知識と技能を有する医療人を育成する。
  7. 高齢者の介護福祉など地域医療に貢献できる医療人を育成する。
  8. 口腔疾患を全身的関連で把握することのできる医療人を育成する。
  9. 健康増進と疾病の予防に貢献できる医療人を育成する。
  10. 世界をリードする国際性を有する医療人を育成する。

入学者受入方針(アドミッションポリシー)

本学はディプロマポリシーを達成するために、下記のような学生を求めています。

  • 生命体と歯科医学の関連に強い関心をもって、追求できる人
  • 高い目標意識を持ち、相手の気持ちを理解できる人間性豊かな人
  • 医療人として地域社会に貢献する強固な意志をもつ人
  • 歯科医学に関する知識、技能、態度を十分習得できる基礎学力のある人
  • プロフェッションとして高い倫理観をもつ人
  • 高いコミュニケーション能力をもつ人
  • 国際的な活動に関心を持ち、必要性を認識できる人
  • 超高齢社会における歯科医療の役割を理解できる人
  • 生涯にわたり継続的に能力の向上に努める人