展示品ギャラリー
由縁(ゆかり)の友、戌(いぬ)の見舞
幕末の文久2年(1862)に大流行した麻疹(はしか)へのマジナイとして、多くの麻疹絵が板行された。文久2年が戌年であることから、十二支の動物たちが、麻疹にかかり臥せっている犬の見舞いに訪れ、口上を述べるという歌川芳盛の戯画。
詞書には、「頃ハ安政二年世俗にころりといふやまひあり人多く、死することおびただしく、しかるに今また文久元(二)年秋にいたり戌のやまひはやり志ぬる事大かたならづ、よつてゆかりのともだちよりあつまりてみまひにきたり、ことなく大いにあんじいる」
子(ね;ねっ)からごぶさたいたしました
丑(うし;うち)でもよろしく申しました
寅(とら;どら)おいとまいたしましやう
卯(う)さぎへうつりましやう
辰(たつ;たち)ゐもふじゆうでなりませう
午(ご)ちんでもたべたのかへ
未(み)ぶんのと□からだへ
申(さる;さ)ほどでもねへやうだ
酉(とり)とまらぬびやうきだねへ
亥(い)まによくなりますのさ