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せきりびょうよぼうこころえ(赤痢病予防心得)
一 飲み水は必ず水濾し道具にて濾したる水を用ゆべし
一 酒または食物を多量に飲み食いすべからず
一 傷みに傾きしものは喰らうべからず
一 食い物はなるべくこなれ易きものを選ぶべし
一 溜池等にて水遊びをするべからず
一 夜のうち露を受けしところに寝るべからず
一 体に不相応の働きすべからず
一 果物の熟せざるるものまた熟するものといえども多食すべからず
一 病人は居間を別にし介補人の他はなるたけこれに近づくべからず、また年寄り子どもらは早く別の家に避けおくべし
一 病人の厠を他の人とともにすべからず
一 病人の下しものはおかわまたは古布に受けそれに石炭酸を注ぎ人なき土地におくりて焼きすつすべし
一 病人の快くなくるかまた死する等のあとは病室その他これに触れしものには全て石炭酸等を注ぎ消毒しまたは焼きすつべし
(明治)十八年九月 阿野鴉足郡衛生掛
四国・香川県の阿野郡(あやぐん)と鵜足郡(うたぐん)衛生掛が配付した明治18年(1885)の赤痢病予防心得。当時、阿野と鴉足郡は愛媛県に編入されていたが、明治32年に両郡が合併して「綾歌郡」と改称した