展示品ギャラリー
象牙製のtoothpick(ツマヨウジ)
装身具や携帯品など身の回りの品には昔から様々な意匠を凝らしてきた。
写真は19世紀後半にヨーロッパで使われていた象牙製のtoothpick=ツマヨウジで、右はヴァイオリン、左はノコギリの形をしたべっ甲(タイマイ)のケースに折り畳んで収納できるようになっている。
右のものは耳かきと対になっており、紳士たちがベストのポケットに入れ、携帯していたのだろう。
日本では幕末から明治初期に英米系の医学書が多数翻訳されたが、アメリカの医師カルヴィン・カッターの衛生啓蒙書を和訳した『生理養生論』(1881年)では、toothpickに「牙籤(がせん)」の訳語をあてている。