日本歯科大学新潟生命歯学部 医の博物館

展示品ギャラリー

当世見立六佳撰 大伴黒主

当世見立六佳撰 大伴黒主

渓斎英泉の「見立六歌仙」シリーズ。洗い髪の女性が鏡に自分の姿を映し、足元にはうがい茶碗と房楊枝が置かれている。

上の和歌は、『古今和歌集巻十七雑歌上』所収、第899番の「鏡山 いざ立ちよりて 見てゆかむ 年経ぬる身は老いやしぬると」で、大伴黒主(おおとものくろぬし)の作だと伝えられる。

「古今和歌集」では、僧正遍照、在原業平、文屋康秀、喜撰法師、小野小町と並んで、大伴黒主が6人の歌詠み(六歌仙)に選ばれた。

黒主は歌舞伎の「積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)」や「六歌仙容彩(ろっかせんすがたのいろどり)」では、天下を狙う大悪人として登場する。
江戸の浮世絵師たちは、版元の企画になどにより、古典文学を題材として人物や設定を変えた「見立絵」を数多く制作した。