日本歯科大学新潟生命歯学部 医の博物館

展示品ギャラリー

お歯黒壷と蘭引(ランビキ)

お歯黒壷と蘭引(ランビキ)

お歯黒には鉄漿(かね)の異称があり、日本では江戸時代から明治初期にかけて既婚婦人の風習だった。

お歯黒壷は「お歯黒がめ」とも言い、鉄漿水(かねみず)をつくる容器である。
鉄漿水は酢酸第一鉄を主成分とする溶液で,壷の中に水、酒、酢、茶などを配合した混合液に古釘などの鉄類を入れて冷暗所に保管し、錆の浮いた液ができると温めて用いた。
つくり方や材料には地方によりいろいろと秘伝があったという。

写真右の「蘭引」は「アランビック」を語源とする蒸留器具で、江戸時代に日本に伝わった。
陶器でできており、深い鍋の上に冷水を入れた鍋を蓋として蒸留し、酒類や医薬用アルコールなどを抽出した。