新潟県中越沖地震 歯科医療支援活動
新潟県中越沖地震 歯科医療支援活動(第2報)
中越沖地震歯科医療支援活動で、避難所を巡回して口腔ケアを行っていた歯科医師、歯科衛生士の間で新たな問題となったのが、避難所にいる夏期休暇中の学童、幼児のおかれている環境でした。支援が行き届くと歯みがきが十分にできない環境下で、大量の支援物資に囲まれ、菓子パン、ジュースなどの甘いものも与えられており、口腔環境の悪化が危惧されました。また昼間は、保護者が就労や復旧作業で不在のため、生活リズムの乱れも指摘されました。そのため避難所巡回口腔ケアでも学童・幼児を対象とした口腔保健指導を重点的に行いました。
8月下旬、被災地では仮設住宅への入居が開始され、多くの避難所が閉鎖され、支援活動も新たな段階となりましたが、仮設住宅に入居した児童や転居した児童にとって、日常生活を取り戻すには程遠い状況であり、歯みがき習慣も乱れていることが予想され、できるだけ早期に口腔保健指導の必要性が認められました。そこで、特に被害の大きかった地域の各小学校に併設されている児童クラブ(保護者の就労等により、放課後や休日に多くの児童が利用している。定員40名程度)を対象に支援活動の一環として遊びの要素を取り入れた口腔保健指導を計画することとなりました。
8月29日、31日の両日、柏崎市役所子ども課の協力のもとに柏崎市歯科医師会と共同で、被災地の学童の口腔保健、学校歯科保健の再構築に寄与することを目的に、被災地のにしやま児童クラブ、柏崎児童クラブを訪問し口腔保健指導を行いました。日常生活がとりもどせない被災地の児童に対し、自らの口腔内を観察することにより、歯みがき習慣だけでなく、すべての生活習慣を振り返り、日常生活リズムを早期に取り戻す契機になることが期待されました。参加した児童の屈託ない笑顔に、被災地に大きな希望を見いだせました。