訪問歯科口腔ケア科
所属構成員等
准教授/白野美和 博士(歯学)(科長)
講師/渥美陽二郞 博士(歯学)、吉岡裕雄 博士(歯学)
客員教授/飯島勝矢
臨床講師/赤泊圭太、小出勝義、鶴谷綾子、廣澤利明、近藤さつき
専門研修医/相田亮平
専従歯科医師、専任歯科衛生士を中心に、総合診療科、口腔外科、歯科麻酔・全身管理科の担当歯科医師と院内連携をとりながら、訪問歯科診療を行っています。
特徴
当科は平成26年4月に前身である在宅歯科往診ケアチームが診療科移行し新設された科です。
新潟病院在宅歯科往診ケアチームは1987年より活動を開始し、長年にわたり地域における要介護高齢者の訪問歯科診療に取り組んできました。2014年に、より充実した在宅歯科医療の実践、教育、地域との連携を目指し診療科へ移行しました。
訪問歯科診療の対象は通院困難な方ですが、要介護高齢者だけでなく、障がいを持たれている方、神経筋疾患などによって通院困難となった方も対象としております。近年では摂食嚥下障害に対する食事支援や誤嚥性肺炎予防のニーズも増加しており、在宅や施設もおいてスクリーニングや嚥下内視鏡検査、多職種と協働して食事指導や摂食嚥下リハビリテーションも行っております。
また、地域医療の中で訪問歯科診療はかかりつけ歯科医の先生が中心となって行われますが、診療にあたり安全性の確保が困難な場合、診断や治療内容により専門性が必要な場合が生じます。このような場合、大学病院が検査・診断・治療・管理における専門的な知識・技術・設備を提供し、後方支援しながら地域の歯科医師、歯科衛生士と協働して対応することが責務であると考えています。
学生教育、研修歯科医指導等
訪問診療において歯科医療の供給は不足していると言われており、これからの歯科医師、歯科衛生士は歯科訪問診療に必要な知識・態度・技能の習得が必要とされています。
当科では平成22年度に全国に先駆けて歯学部5年臨床実習生の歯科訪問診療実習と臨床研修歯科医の訪問診療研修を必修化し、教育面にも力を入れてきました。また、歯科衛生士の卒後研修の場として"専攻科 在宅歯科医療学専攻"を立ち上げ、訪問歯科診療におけるプロフェッショナルの育成を目指して活動しています。
その他
新潟病院在宅歯科往診ケアチームは地域の要介護高齢者や障害者の歯科訪問診療や口腔ケアに従事し、多くの社会福祉施設において無料歯科検診を行うなど、地域歯科保健医療に寄与してきました。そして、この長年わたる経験は、平成16年の新潟中越地震、平成19年の中越沖地震、さらに東日本大震災などの大規模災害時に被災地に赴き、被災者への応急歯科診療や口腔ケアを行うなどの活動に役立っています。
このような種々の活動は、第60回新潟日報文化賞や第63回保健文化賞を受賞するなど、高く評価されています。