日本歯科大学新潟生命歯学部 医の博物館

展示品ギャラリー

東名所芝八景

東名所芝八景

瀟湘八景(しょうしょう・はっけい)は中国で伝統的に画題になってきた8つの名所。中国の湖南省では南の瀟水が湘江に合流して洞庭湖を作るが、湘江流域の8つの名勝を指して瀟湘八景と呼ばれている。その八景は、平沙落雁、遠浦帰帆、山市晴嵐、江天暮雪、洞庭秋月、瀟湘夜雨、煙寺晩鐘、漁村夕照。日本でも近江八景や金沢八景などの呼称とともに、各地の景色が瀟湘八景になぞらえた名勝となり、水墨画や浮世絵に描かれた。

「東名所芝八景」は二代目歌川豊国の浮世絵で、この「高名輪帰帆」のほか同じシリーズでは「神明宮晴嵐」「愛宕山秋の月」「増上寺晩鐘」などがある。二代豊国(1802-35年)は豊国門下の豊重で初代の養子となるが、残された作品は少ない。「二代豊国」を自称した国貞(三代豊国)とは別人。